離婚に関する基礎用語集【か行】

離婚に関する専門用語について以下にまとめております。専門家に相談する際には専門用語を使われることも多々あるかと思いますので、ご参考までに確認してみてください。
また、各種情報サイトで離婚に関する情報を見るときにも役に立つかと思います。

回復不可能な精神病
(かいふくふかのうなせいしんびょう)
配偶者の精神障害の程度が、夫婦互いの協力扶助義務
(民法752条)を十分に果たし得ない程度に達し、
回復の見込みがない場合をいいます。
家庭内暴力
(かていないぼうりょく)
DV(ドメスティックバイオレンス)と同じ意味。
仮差押え
(かりさしおさえ)
金銭債権の執行を保全するために、裁判所が債務者の財産の処分を制限すること。
仮差押命令
(かりさしおさえめいれい)
債務者に対して責任財産の処分や現状の変更を禁止する
命令のこと。
監護権
(かんごけん)
子どもの心身の成長のために養育監護する権利義務のこと。
一般的には親権の中に監護権が含まれ、親権と監護権は
一致することが望ましいといえますが、例外的に監護と
親権を切り離して監護者と親権者を別個に決めることも
できます。
監護権者
かんごけんしゃ)
主として子の心身の成長のための教育・養育をする
権利を持つ者のこと。
親権者と監護権者を分けた場合には、親権者は主に
子の財産管理を行い、監護権者は主に子の心身の成長
のための教育・養護を行うこととなります。
監護権者の変更
(かんごけんしゃのへんこう)
一度決めた子どもの監護権者を変更すること。
監護権者の変更が認められるためには、
「子の利益のために必要があると認められること」
という要件が必要となりますが、親権者と異なり
後から変更することが可能です。
偽装離婚
(ぎそうりこん)
今後も今までと同様に夫婦生活を送るつもりがあるにも
かかわらず、離婚届を提出すること。
生活保護を受けるため、借金を免れるためなど、偽装離婚が
なされるさまざまなケースがありますが、一度離婚届を
提出した以上、あとから離婚が無効であったと
主張することはできません。
協議離婚
(きょうぎりこん)
夫婦が話し合いによって離婚すること。
共有財産
(きょうゆうざいさん)
夫婦が婚姻中に協力して築き上げた財産のことをいい、
財産分与の対象となる財産のこと。
共有財産かどうかについては、財産の名義によって
判断するのではなく、婚姻中に協力して築き上げた
ものかどうかという観点から判断します。
居所指定権
きょしょしていけん)
監護権の内容の一部で、監護権者が指定した場所を子どもの居所として定めることのできる権利のこと。
契約財産制
けいやくざいさんせい)
夫婦財産契約制度のこと。
婚姻前から所有している財産が夫・妻どちらの所有
(もしくは夫婦の共有)とするのか、婚姻中に夫婦で
取得した財産を夫・妻どちらの所有(または夫婦共有)
とするのか、婚姻生活の費用をどちらがどれだけ負担
するのか等の夫婦の財産関係について契約で定める
ことができる制度です。
この契約は、婚姻届出前に締結しなければならず
婚姻後に夫婦財産契約を締結しても無効となって
しまいます(民法755条)。
婚姻費用
(こんいんひよう)
配偶者や子どもの衣食住に必要な生活費や教育費、
医療費など婚姻中に支出すべき費用のこと。
配偶者・子どもに対する扶養の程度は、親に対する
扶養と異なり自分と同程度の生活をさせるべきとの
裁判所の判断事例がありますので、たとえ別居して
いても、自分と配偶者の収入に応じて生活費を渡す
義務があります。
婚姻費用分担請求
(こんいんひようぶんたんせいきゅう)
夫婦の住居や生活費、子どもの学費など、夫婦生活を
継続するうえで必要となる費用(婚姻費用)が
支払われない場合に、それを相手方に請求すること。
原則として、請求時(婚姻費用分担請求の調停申立時)
以降の婚姻費用しか請求することができず、過去の分を
遡って請求することは難しいので注意が必要です。
算出方法については以下を参照してください。
養育費・婚姻費用算定表
婚姻を継続し難い重大な事由
(こんいんをけいぞくしがたいじゅうだいなじゆう)
婚姻生活に破綻をきたす程度の性格の不一致、暴力、
性交不能・拒否、過度な宗教活動などの民法第770条
に規定する、裁判離婚をすることができる
5つの事由(条件)のうちの一つです。

この記事を書いた人

夫婦生活研究所 所長
1979年東京生まれ
20歳で初婚。28歳で一度離婚を経験し、その後35歳で再婚する。
初婚の際に一女を設けている。
男性、夫視点での結婚観を記事として執筆。
男性と女性とで、感覚の異なることから発生する摩擦を減らすことができるよう、日常生活に根付いた分かりやすい記事が人気。