離婚に関する基礎用語集【な行】

内縁
(内縁)
婚姻の意思をもって共同生活を行い、社会的にも夫婦と認められているものの、婚姻届を提出していないため、法律上の正式な夫婦と認められない男女関係のことをいいます。内縁関係として認められるかどうかは、同居期間の長さや婚約の有無、挙式をしているかなどの状況で判断されることになります。同棲との違いは婚姻の意思の有無に依ります。内縁の夫婦は、法律上の夫婦とほぼ同等の権利を持つことになりますので、同居・扶養の義務や婚姻費用の分担が認められ、内縁関係を解消した場合には、財産分与や慰謝料請求も認められます。
日常家事債務
(にちじょうかじさいむ)
婚姻共同生活のための行為(日常家事)から生じた債務については、夫婦に連帯責任を負わせてもよいという考え方で、民法761条前段で定められています。日常家事と認められるのは「夫婦と未成熟子が日常の家庭生活を営む上で通常必要とされる一切の事項」となります。つまり、衣食住に関わる費用や電気ガス水道などの生活をする上で必要な費用がこれに当たります。何が日常家事にあたるかは、夫婦の収入や職業、地位によって異なります。日常家事として当てはまらない物としては、ギャンブルによる借金や仕事上の借金、収入と比較して不相応な高級品、交通事故の損害賠償などです。
認知(にんち) 法律上の婚姻関係に依らず生まれた子を、その父または母が自分の子だと認める行為のこと。母親と子との関係は、分娩という事実によって明らかになりますが、父親と子との関係は認知されない限り法律上認められません。但し、明らかに父親であるにも拘らず認知をしない父親に対して強制的に親子関係を確定させる強制認知という方法もあります。
年金分割制度
(ねんきんぶんかつせいど)
以前までの年金の財産分与では、夫の死亡後に妻への年金の支払いが途絶えてしまうという問題がありましたが、年金の分割制度のおかげでこの問題が解消されました。但し、対象となるのは、厚生年金と共済基金のみで、国民年金は対象外となっています。また、分割受給を受けることが出来るのは、本人の受給開始年齢後になりますので相手の受給資格には関係ありません。更に、請求は離婚後2年以内に社会保険事務所へ行うことが必要となります。

年金分額制度には「合意分割制度」と「3号分割制度」の2つがありますので、それぞれ詳細はリンク先をご確認ください。

この記事を書いた人

夫婦生活研究所 所長
1979年東京生まれ
20歳で初婚。28歳で一度離婚を経験し、その後35歳で再婚する。
初婚の際に一女を設けている。
男性、夫視点での結婚観を記事として執筆。
男性と女性とで、感覚の異なることから発生する摩擦を減らすことができるよう、日常生活に根付いた分かりやすい記事が人気。