悪意の遺棄とは
悪意の遺棄とは、民法770条2項により離婚原因としてあげられています。
相手が夫婦の共同生活を維持していく事になるのを知りながら(悪意)、その行為を行う(遺棄)と、相手方が離婚を望んでいなくても裁判で離婚できる事になります。その行為とは
- 扶養義務違反
夫婦は同居し、互いに扶助(協力)していかなければならないという義務があります。 生活費を渡さない。健康であるにも拘らず仕事もしないでフラフラしている。収入を全て博打などで使ってしまう。等の行為は扶助義務違反となり、悪意の遺棄を理由に離婚を請求する事ができます。 - 同居義務違反
前項の扶養義務違反と同じで、夫婦は同居し、互いに扶助(協力)していかなければならない義務があります。同居に応じない事は悪意の遺棄にあたりますが、全ての別居を指すわけではありません。同居に応じない内容が問われます。愛人や浮気相手の家から帰ってこない。理由もなく出て行ってしまった。親族との人間関係が煩わしくて出て行ってしまった。等は同居義務違反にあたります。逆に、職務上の長期の出張であったり、転勤による別居、夫婦関係を見なおす冷却期間としての合意の上での別居。本人、子供の病気療養の為の別居等は一概に同居義務違反にはなりません。
悪意の遺棄を理由とする離婚について
悪意の遺棄は裁判上の離婚原因として認められています。
また、悪意の遺棄として認められない場合でも「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められて離婚できる場合もあります。どちらにしても裁判で争わなければいけないので、離婚を主張する方に立証責任がある為、裁判でその事実を証明しなければなりません。裁判となると訴訟費用もかかりますし、判決が確定するまでに長い期間がかかる場合もあります。
この記事を書いた人
- 1979年東京生まれ
20歳で初婚。28歳で一度離婚を経験し、その後35歳で再婚する。
初婚の際に一女を設けている。
男性、夫視点での結婚観を記事として執筆。
男性と女性とで、感覚の異なることから発生する摩擦を減らすことができるよう、日常生活に根付いた分かりやすい記事が人気。