探偵社・調査会社について

探偵とは

探偵(たんてい)とは、調査業者の一種です。
他人の秘密を密かに調査したり、犯罪を犯した者を突き止めたりする者、またはその行為を呼びます。
一般的には、他人の秘密を密かに調査したり、犯罪を犯した者を突き止めたりする者とのイメージがありますが、あくまでも人(法人又は個人)からの依頼を受けて、面接による聞込み、尾行、張込み、その他これらに類する方法により、特定人の所在又は行動についての情報を収集し、その結果を依頼者に報告する業務に従事している者やその営業を行っている業者のことを探偵と呼びます(実際には、日本の探偵が犯罪者を突き止めることはあまりない)。
したがって、依頼の中で収集すべき情報が特定されている事が必要であり、探偵業者が勝手に判断して情報を収集するものではありません。

よく似た意味を表す言葉として、興信所員があります。
現在でも一応区別されていますが、業務が重複することも極めて多く、厳密に区別する意味は少ないのが現状です。
全国で探偵業者として公安委員会へ届出をしている業者数は、平成22年末で5172件に上り、私立探偵(しりつたんてい)とも称されます。探偵社や興信所に属する調査員であることが多く、基本的には、警察が発生した事件を解決するのに対し、探偵は問題の予防対策を仕事とし、民事上の不法な行為を暴くことなどを業としています。

探偵の業務について

探偵の業務は、依頼によって、聞込み、尾行、張込み、その他調査を行うことになります。
推理小説、ドラマ、映画の中では、多くの探偵が殺人など凶悪事件の調査を行っていますが、実際には、素行・浮気調査や人探し調査、法人や個人の信用状況の調査など企業や個人からの調査依頼が主な業務となります。

探偵業務が抱える問題として依頼者の秘密を守る反面、調査対象者のプライバシーを侵害することがあげられます。このこともあり、2007年6月に施行された探偵業法では、「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」と規定され、さらに、調査契約を締結するには依頼者から「調査利用目的確認書」(調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面)の交付を受けなければならないという義務を負っています。
探偵業者会員最多の調査業協会では所謂「別れさせ工作」などは不適切広告表現自主規制の対象とし、大規模警察本部でも「別れさせ工作」などは探偵業務ではないと協会同様解釈しています。

具体的な業務内容は以下の様になります。

  • 行動調査 – 素行調査、浮気調査
  • 行方調査 – 恩師、旧友、昔の恋人、初恋、債務者、家出人、失踪者。なお、ペット(愛玩動物)の捜索は除く。
  • 信用調査 – 企業信用調査、個人信用調査
  • 身辺調査 – 身上調査
  • 社会関係調査 – 雇用調査、結婚調査
  • 犯罪調査 – 詐欺事犯、いじめ・嫌がらせ対策、高齢者・障害者虐待防止。アメリカでは、司法取引の材料を集める依頼もある。
  • 保険調査 -損害実態調査、自動車事故原因、火災原因、傷害保険
  • 盗聴器発見 – 盗聴器発見、盗撮器発見
  • 異性問題 -不貞行為、ストーカー行為、家庭内暴力(ドメスティク・バイオレンス)、セックスレス相談
  • 鑑定 – 指紋、声紋、筆跡、DNA鑑定、ポリグラフ検査
  • 法人 – 市場調査、与信調査、資産調査、権利侵害対応、経営助言、M&A調査、ヘッドハンティング、ビジネスマッチング、メディア戦略、社員教育
  • その他 – 安全対策、危機管理、情報漏洩対策、プライバシー防衛、証拠資料収集、防諜、科学調査、海外調査

探偵の権限について

探偵には、警察官などと違い特別な権限は付与されていません。
探偵であっても、一般の民間と同等の権利義務しか発しません。
つまり、身体に危険が及ぶ可能性も勿論あります。刑事訴訟法により、現行犯逮捕を除いた一切の司法警察権の行使は許されていません。
なお、日本で探偵業の届出を行っていたとしても、当然の事として日本国内でのみ有効であり、海外での探偵行為を行うには渡航先の法律等を解決しなければなりません。

探偵と興信所の違いについて

かつて、探偵社は社会関係調査(人の行動の調査・浮気調査・行方調査・結婚調査・犯罪調査など)を中心に行ない、興信所は経済関係調査(企業信用調査・個人信用調査・雇用調査・市場調査など)を主に行っているという棲み分けがありました。探偵社と興信所では、調査手法に違いがあると言われていたのです。
探偵社の調査方法は、外観型調査手法といわれ、尾行や張り込み、行動監視を徹底とし、証拠が収集でき次第裏付けをとる聞き込み調査を実施して、証拠を固め、依頼者に報告するものです。警察の捜査方法と似ている点が多いのが特徴です。
これに対して、興信所の調査方法は、内観型調査手法といわれ、調査対象者に直接面接や電話による聞き取り(取材的方法)を実施して、調査対象者の言ったことに対して、後から裏付け調査を行って依頼者に報告するものになります。

調査料金について

探偵社が行う調査の料金には、探偵業界として統一した料金体系が存在していません。
これは、多くの場合に調査案件が異なっており、目的・条件などが異なるため「案件に伴う個別の見積りをする必要がある」との観点からです。
また、業界団体が料金体系を統一化することも独占禁止法の違反とされるために、業界団体で目安の料金を表示したり、それを会員に指導することが許されていません。
尚、調査内容、調査方法、調査料金、調査期間、金銭の支払い時期及び方法等は探偵業法第8条(重要事項の説明)に基づき依頼者に書面を交付して説明しなければならないという決まりがありますので、説明が不十分な会社は最低限避けた方が無難と言えるでしょう。

この記事を書いた人

夫婦生活研究所 所長
1979年東京生まれ
20歳で初婚。28歳で一度離婚を経験し、その後35歳で再婚する。
初婚の際に一女を設けている。
男性、夫視点での結婚観を記事として執筆。
男性と女性とで、感覚の異なることから発生する摩擦を減らすことができるよう、日常生活に根付いた分かりやすい記事が人気。